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DTP全般

ハイレゾ・バウンディングボックス


バウンディングボックスとは

PostScriptの仕組みでは、全てのオブジェクトの位置や形は数値で表されます。そしてその数値の単位として使われているのがポイントです。


ポイントという単位にはいくつもの種類がありますが、PostScriptで使われるポイントは、1インチの72分の1を1ポイントとするいわゆるDTPポイントであり、メートル法に直すと約0.3528ミリになります。


PostScript出力する場合、出力機のRIPは、DTPポイントで記述されたデータに従ってオブジェクトなどを正確にラスタライズ(画像化)します。この際、出力機の出力解像度にあわせてラスタライズが行われるので、PostScriptの仕組みはデバイス・インディペンデント(出力機などのデバイスの種類に依存しない)と言われているわけです。


ところで、「DTPではポイントが使われている」と言われると、「自分はミリや級数の単位を使ってデータを作っている」と思う人もいるのではないでしょうか。確かに、現在のDTPソフトはメートル法や級数による指定が可能になっています。ただし、これはソフトがそのつど自動的にポイントに換算しているだけで、内部的(PostScript的)に使われているのはポイントなのです。


さて、DTPソフトで作られたデータは、最終的にPostScriptやEPSファイルに書き出されます(EPSはカプセル化されたPostScriptという意味で、PostScriptの一種)。これらのファイルを出力するにしてもレイアウトソフトに貼り込むにしても、あるいは面付けソフトで面付けするにしても、欠かすことのできない重要な情報があります。それが今回解説する「バウンディングボックス」です。


バウンディングとは、オブジェクト全体を含む境界のことを意味します。バウンディングボックスというのは、オブジェクトの境界線を表す四角いエリアのことです。


たとえば、InDesign(インデザイン)であらかじめフレームを作らずに配置コマンドでEPSファイルを呼び出して直接貼り込んだ場合、オブジェクトのまわりにはグラフィックフレームのラインが表示されますが、これはバウンディングボックスを表すラインと考えることもできます。


バウンディングボックスは、そのオブジェクトやページの境界線を表すものです。ですから、バウンディングボックスの数値が違っても内容そのものが変化するわけではありませんが、境界のエリアが変わるので結果としてオブジェクトの位置が変わることにつながります。


ハイレゾ・バウンディングボックス

バウンディングボックスにはひとつの制約があります。それは、バウンディングボックスを表す数値が整数でなければならないというものです。バウンディングボックスは他の数値と同様、ポイントで表記されますが、必ず整数の数値のポイントにしなければならないのです。


たとえば、Illustratorで10ミリ四方のオブジェクトを作り、EPSに保存するとします。Illustratorはまず10ミリをポイントに変換し(283.4644ポイント)、次に数値を四捨五入して283ポイントという数値を得ます。そのため、最終的にバウンディングボックスは「0 0 283 283」といった形で記述されるわけです。


先ほども書いたように1ポイントは約0.3528ミリですから、整数化による誤差は最大で0.18ミリ程度ということになります。通常であればこの程度の誤差はほとんど問題にならないでしょうが、精密さが要求される場合には問題になることもあり得ます。


また、たとえば、面付けの作業を考えた場合、バウンディングボックスから数値を得てそれを元に面付けしていくとすると、0.18ミリの誤差が数倍に増幅してしまうことも考えられるわけです。


いずれにしても、IllustratorをはじめとするDTPソフトが、小数点以下数桁程度の精度でデータを作れるようになってきたのに対し、バウンディングボックスが整数値でしか指定できないというのではあまりにアンバランスです。


そこで、最近のPostScriptではバウンディングボックスのほかにハイレゾ・バウンディングボックス(HiResBoundingBox)というのも指定できるようになっています。ハイレゾ・バウンディングボックスもポイントで指定しますが、小数点以下も表現できるので、普通のバウンディングボックスよりはるかに高い精度が実現されています。


なお、ハイレゾ・バウンディングボックスを使えば高い精度が可能だといっても、実際に使える環境でなければ意味がありません。IllustratorやInDesign、あるいはQuarkXPressなどのDTPソフト、それにFACILISなどの面付けソフトも、最近のバージョンはサポートしていますが、古いバージョンなどサポートできていないものもまだ少なからず使われており、環境が完全に整っているわけではありません。


そのため、ハイレゾ・バウンディングボックスが書かれたPostScriptやEPSには、従来のバウンディングボックスも並列で記述されているのが普通です。EPSやPostScriptを使うアプリケーションは、サポートしているほうのバウンディングボックスを参照すればいいというわけです。


ソフト間でデータのやり取りをする場合などは、そのソフトがバウンディングボックスをどのようにサポートしているかを把握しておかないと、思わぬ問題が生じる可能性もあります。


DTPではすべてが数値化されており、正確な作業が実現されていると考えがちですが、実際には求められている精密さを十分確保できるケースばかりではありません。


そもそも数値化には必ず誤差がつきものであり、数値の精度をよく理解したうえで利用するということも大切ではないでしょうか。


(田村 2007.3.26初出)



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